展示会動画は、会場特有の環境(大音量・人の流れ・短い接触時間)に合わせて設計した映像で、ブース集客と製品理解の両方を担います。通常の企業PRや商品紹介動画とは目的が異なり、求められる設計も変わります。
展示会動画の3つの役割
展示会のブースで動画が担う仕事は大きく3つに分かれます。どれか1本に詰め込もうとすると、どれも中途半端になります。
**足止め動画(アテンション)**は、ブース前を歩く人の視線を引いて立ち止まらせるための映像です。15〜30秒でループ再生し、インパクトのある映像とシンプルなキャッチコピーだけで構成します。音が聞こえない状況でも、「何かある」と感じさせることが目的です。
製品説明動画は、ブースに入った来場者に製品の機能や導入効果を伝えます。1〜3分程度の尺で、テロップと図解を主体に組みます。担当者が商談中でも動画が説明を続けてくれるため、人員を減らしながら接客品質を保てます。
デモ動画は、実機を持ち込めない大型機械・危険物・無形サービスに有効です。実物のサイズ感や動作を映像で再現し、来場者がイメージを持ちやすくします。
聴覚に依存しない設計が核心
展示会場は騒音が多く、スピーカーを大きくしても会話の邪魔になります。来場者が音を聞ける前提で動画を設計すると、実際の会場でほぼ機能しません。設計の出発点は「映像とテロップだけで100%伝わるか」です。
冒頭3秒で関心を引く。 来場者がブース前を通過するのは数秒です。冒頭に「何のための製品か」が一目でわかるキービジュアルか数字を置きます。「生産性30%向上」のような成果を最初に見せ、続きを見たくさせる流れが効きます。ただし出典のない数字は入れません。
テロップは画面内に収め、フォントは大きく・コントラストを高く設定します。遠くから見ても読める大きさが基準で、細かい説明文より短く刺さる言葉を選びます。
ループのつなぎ目は自然に。最後のフレームと最初のフレームが違和感なくつながるよう、フェードアウト→フェードインか、静止フレームを挟む構成にしておくと、巡回再生中も来場者の目に馴染みます。
費用の目安と依頼先のタイプ
展示会動画の制作費は、何をどこまで作るかで大きく変わります。
| 動画の種類 | 費用の目安 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 短尺ループ動画(30秒前後) | 15〜50万円前後 | 既存素材の編集+テロップ・音楽 |
| 製品説明・サービス紹介(1〜3分) | 30〜80万円前後 | 撮影+編集+テロップ・ナレーション |
| 3DCG・アニメーション(機械・無形サービス) | 50〜150万円前後 | CGモデル制作+アニメート |
上記は一般的な目安で、実際の費用は撮影日数・出演者の有無・修正回数の条件で変わります。種類別の詳しい内訳は映像制作の費用相場ガイドでまとめています。
既存の会社紹介動画や製品PRの素材がある場合は、編集と字幕追加だけで展示会向けに仕立て直せることがあります。一から撮影するより費用を抑えられるため、制作会社に「既存素材の流用が可能か」を最初に確認するとよいでしょう。
制作会社を選ぶときの確認ポイント
展示会動画の制作を外注する際は、一般的な動画制作会社への依頼に加えて、いくつか確認しておくべき点があります。
展示会・イベント動画の制作実績があるかを問い合わせ前に確認します。実績があれば、ブース環境や映像要件の特性を理解したうえで提案してもらえます。実績が薄い場合は、会場での表示条件(モニターサイズ・設置場所)と音なし設計の要件を最初に明示したうえで見積もりを取ります。
見積もりでは修正回数と著作権の扱いを確認します。展示会後に他の用途で使い回す場合、ライセンス条件が影響することがあります。制作物の二次利用範囲を事前に取り決めておくとトラブルになりません。
動画制作会社ナビでは、全国121社の制作会社を用途別に整理しています。展示会・会社紹介・アニメーションと、対応できる制作タイプで絞り込めるため、相見積もりの候補選びに役立てていただけます。会社・サービス紹介動画に強い制作会社は会社・サービス紹介カテゴリでまとめて確認できます。
会社紹介動画の作り方では企業VPの構成や制作フローを詳しく説明しています。展示会用の動画はコーポレートサイト向けとほぼ同じ素材から切り出せることが多く、兼用・流用の可能性も含めて読んでみてください。



